2.「父は詐病」の根拠について

 聡香さんは、本人の著書「私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか」の記述や雑誌の記事によると、これまでに合計6回接見しているとのことで、このうち父親と会話ができたとされているのが、一人で面会した4回目と6回目の面会とのことである。

そのときの様子を4回目は「週刊新潮2008年2月7日号 44ページ」から、6回目の様子については「著書 20ページ」から引用すると、


・4回目の接見時の様子

『...気力が身体中にみなぎり、以前接見した時とはまるで違う父だったのです。(中略)父は自分自身を守ろうとしている。私はそう思い、しゃべり続けた方がいいと考えました。そして、ずっとしゃべり続けたのです。その時、父がいきなり、「サチコ(仮名)……」と、私の名前を呼んだのです。「えっ?」私は一瞬、息を呑みました。父が私の名を呼んだ――。看守は父からみれば右側にいました。父はその看守に見えないように、右手で自分の口を覆い隠し、笑い声でごまかすように、私の名を呼んだのです。それは、看守には聞こえないが、私にだけ聞こえるような、空気だけを振動させる感じの声でした。おそらく、口の動きが見えていなければ、私にもわからなかったでしょう。そのぐらい微妙な呼び方でした。父は私をはっきりと認識している。その時、私は、「父はやっぱり詐病だったんだ」と、悟ったのです。』


・6回目の接見時の様子

『「寒いけど、大丈夫ですか?」面会といっても、いつも私が一方的に話し、父はほとんど無反応です。もとより普通の会話が成立するとは思っていませんし、普通の返事も期待はしていません。でも、その日は違いました。「今日、結構寒いね」父が、はっきりとそう言ったのです。あまりに自然だったので、すぐには何も感じませんでしたが、少し経ってから、今何が起きたのだろうと驚きがこみあげてきました。いつもと違って父は、懸命に意思疎通をしようとしてくれているようでした。そのとき父と私の間には普通の親子としての空気が流れていました。愛情の温もりと、二度と取り戻せないものに対する寂しさが二人の間に静かな空気を生み出していたのです。』


聡香さんが「父は詐病」とする根拠はこの2回の面会時の父の反応である。

だが、この内容は同時期に精神鑑定を行った7人の精神科医の報告とは大きく異なる内容である。


麻原四女の「父(麻原彰晃)は詐病」を検証

マスコミ報道や彼女の著書からの検討

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